第3章 2008-2015 逆境の時代と、来たるべき飛躍 当時は東北エリア全体が深刻な物資不足に陥っており、マルコンデンソー社員も不自由な生活を強いられていた。生活必需品はもとより社員が通勤するためのガソリン、工場暖房で使用する灯油や実装機で使用する液体窒素も入手できない状況であった。そんな震災後の燃料不足による行列洪水状況の全体図彼らを支援すべく生産管理部の主導で全社を挙げて支援物質を調達、マルコンデンソーへと発送した。 ここでの災害時の対応経験は以降のBCP強化の基本方針として活かされた。達が難しい部品に関して、当社部品部や取引先の稼働負荷を上げ、航空便で緊急輸送対応を行うことで部品供給ストップを防いだ。部品の8割は現地調達しており部品を切らさないために現地側でサプライヤーマップを作成し、毎日ニュースデータで浸水状況を把握していった。(写真提供:山形新聞社)33大洪水の中での事業継続(アンデンタイランド) 2011年11月5日、アンデンタイランドにアユタヤ県のサプライヤーから「会社の周りに水が来ている。まもなく浸水してしまうだろう」との連絡が入った。翌日の現地ニュースではホンダの工場が浸水したと伝えられ、連絡をくれたサプライヤーも浸水した。 アンデンタイランドのあるバンコク南東部(チョンブリー県)に洪水は来ないだろうと予測されていたにも関わらず、従業員の中には家屋が浸水して出勤できない人が次第に増えていった。そしていよいよ工場への部品入荷がストップし、緊急対応をするプロジェクトがDIAT(デンソー・インターナショナル・アジア)統括のもと、各デンソー拠点、当社と毎朝情報共有する場が作られた。水害に対する方針は「お客様への納入を止めないことを第一に、あらゆる手段を使って供給を全うする」であった。 まずは全部品の枯渇状況を予測する一覧表を作成し、毎朝、現地全サプライヤーや当社の生産管理部とも共有会を実施した。この時、当社は現地での代替調
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