デンソーエレクトロニクス 75年史
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 第3章 2008-2015 逆境の時代と、来たるべき飛躍 幾度の逆境の中でも、当社は将来を見据えた戦略的準備を着実に進めていた。1974年に創業したマルコンデンソーは、2008年に当社グループの一員となり、地域との信頼関係を築きながら、電子製品の中核拠点として存在感を高めることを目指した。 製品開発においては、電動車向けの接近通報装置と高電圧リレーという新たな技術領域への挑戦。接近通報装置はトヨタとの共同開発により誕生した世界初の製品であり、歩行者の安全確保に寄与するデバイスとして市場に定着、交通安全技術の一翼を担うこととなる。 一方、高電圧リレーは、車両の起動・停止時に高電圧バッテリーを安全に接続・遮断するための製品である。デンソーの知見と、リレー専門メーカーとして蓄積された当社のノウハウを融合し、未踏の技術課題に果敢に挑んだ。開発力を結集することで、小型・高性能・低コストを同時に実現。トヨタハイブリッド車の90%以上のシェアを獲得する主力製品に成長することとなる。 守りを固めながらも、次なる成長機会に向けた弾込めを継続したことが、当社の飛躍へと確かな道筋を築く原動力となった。マルコンデンソー 35周年記念植樹(2008年)第3章-235次世代事業への挑戦

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