75th Anniversary Memorial Bookマルコンデンソー 事務棟接近通報ECU会、高校や地元の産業会メンバーなどへ報告、あいさつを精力的に行った。こうした地道な活動を続けた結果、筆頭の株主交代についても地元の方々に好感を持って受け入れられた。2008年には当社が筆頭株主となり、マルコンデンソーは当社グループの一員として稼働しはじめたのである。ザーなどの音製品に関して長い歴史と経験を持っていたからである。二度にわたって開発を進めたが、当時の法律ではホーン以外の音出しが禁止されていた。そこで国土交通省へ働きかけるにあたり、日本自動車工業会の認可を取得しようとしたが、トヨタ以外の自動車メーカーはハイブリッド車のラインナップが限定的で関心が薄く、日本自動車工業会の認可は取得で接近通報スピーカー36マルコンデンソー 、協業から当社のグループへ マルコンデンソーの創業は、1974年にさかのぼる。当時のマルコン電子(のちに日本ケミコン、現ケミコンデバイス)と日本電装(現デンソー)の合弁により創業。その後1992年には当社が資本参入し、2005年時点では日本ケミコンが80%、デンソーグループが残り20%の保有状況であった。 しかしその生産実態は9割以上が当社製品であり、生産委託に係る支援と品質面での指導は当社の役割となっていた。こうした状況下で日本ケミコンから株式の所有割合を変更できないか?との打診があった。当社としてもこれを生産規模拡大の機会と捉え、株式取得に踏み出した。そして、電子事業が拡大する当社の流れを汲んで、目指す姿を「電子製品の生産対応能力を持った存在感のある企業」と位置付けた。 株式取得決定後、重点的に取り組んだのは地域との関係づくりである。山形県知事やマルコンデンソーの位置する飯豊町および近隣市町の行政関連や商工新たな価値、接近通報装置の誕生 国内では環境対応技術の加速やエコカー減税(2009年)などの政府支援策により、低燃費・低排出の車種開発が進み、内需の下支えとなった。さらに、ハイブリッド車は世界的にも普及が進み、電動化技術をベースにした安全装置や高電圧部品といった製品が次々と生まれ、派生市場が新たに形成されていった。 市場ではハイブリッド車が普及するにつれ、20㎞/h以下のモータ走行時、その走行音があまりに静かなことから、視覚障がい者団体から「クルマが近づいていることに気づきにくい。音を出すなどの対応をしてほしい」という要望が上がっていた。2005年以来、この課題に直面したトヨタは当社に新しい音出し装置の共同開発を打診してきた。当社が音声アラーマやブ
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