75th Anniversary Memorial Book 2010年代後半、地球温暖化に起因する異常気象が世界各地で発生した。国内外で豪雨や猛暑などの未曾有の災害が相次ぎ、気候変動はもはや未来の脅威ではなく、現実の課題として認識されるようになった。こうした流れを受け、2015年にはパリ協定が採択され、温室効果ガス削減に向けた国際的な取り組みが本格化した。これに呼応するかたちで、主要メーカーはHEV(ハイブリッド車)を拡充するとともに、BEV(電気自動車)の導入検討を進めていった。 そうした状況の中、デンソー幸田製作所は再びキャパシティオーバーに直面した。そこでデンソーは改めて製品の生産分担見直しを進め、2017年にはキーレスをはじめとする電子製品の移管が当社に打診された。当社としても車両の電動化拡大を追い風と捉え、事業成長を狙っていたその矢先であり、積極的に製品移管を進めた。この移管は当社だけで対応できる物量ではないため、マルコンデンソーの工場拡張を含めたグループ全体での生産再配置を実行、デンソーの期待通りの移管対応を完遂した。 また、将来的なBEV増加を想定し、BEV用高電圧リレーの開発を加速した。この領域については、当社は出遅れ気味であったものの、関係者の多大な努力のもと開発に成功、量産受注を果たした。 クルマの電動化に代表される「100年に一度の大変革」が進む中、当社は2020年、創立70周年の節目に社名を「株式会社デンソーエレクトロニクス」へ変更。自動車産業の構造が大きく変わるこの局面を、次なる成長への転機と捉え、デンソーグループの中核企業としての自覚と責任を社名に込めた。社名変更記念式典(2020年10月26日)40電子化・電動化の波に乗る
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